飲み方アラカルト

まずは気取らずに!
まず,生(割水無し)でペロっといってみましょう。別のページで説明したように,本格焼酎は常圧蒸留と減圧蒸留の二つの製法があります。一般的には前者はお湯割り,後者はロックや水割りが向くと言われておりますが,必ずしも言い切れる訳ではありません。口に含んだら日本酒のテイスティングのように口中でジュルジュルやらず,ある程度香りを確かめたらゴクリと飲み込んでみて下さい。パンチのある常圧蒸留の芋や黒糖でも原料の甘味や旨味がモヤモヤとしてはっきりしないものはかえってロックにしてやることで全体的に味が引き締まって存在感が出てきます。また減圧蒸留のものは華やかに香りが立って軽快な喉越しですが,反面シンナーのような刺激臭を少なからず伴います。ロックにする事でそれがやわらぐのは確かですが,別に醸造用のアルコールを添加している訳ではありませんし,圧のかけ方もその蔵によってまちまちですので,比較的弱い減圧で,ある程度熟成させてまろやかさを持ったものはぬるめのお湯割りでも非常に味がはえます。本格焼酎も飲み方次第でかなり味
のとらえ方が変わります。銘柄をあてに飲まれることも否定はしませんが,その焼酎の一番旨い飲み方をどうぞ探し当ててみて下さい。

割 水
すでに御存知の方も多いかと思いますが,お湯割りをつくる時はお湯を先に入れた方が良いとされています。これは温かいものは上に移動していこうとする対流の原理が働いて,撹拌しなくとも自然と良い頃合でやんわりと混ざり合ってくれるからなのです。“マドラーで撹拌すりゃ同じことじゃん。”とおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが,40度前後の原酒を25度に割水し,せっかく味のなじんだ商品をさらに割水するのですから,そこであまりガシャガシャやってしまうと香味を損なって独特の苦味や渋味が出てくるようです。私も何度か試してみましたが,生とはかなり印象が異なってしまいました。また,それとは別に地元では目上の人と酒を酌み交わす時にその方の容器に焼酎を注ぎ足す時の作法としてお湯を先に入れるという習わしがあるともうかがったことがあります。そしてさらにこだわるのであれば,御自分のお好みの比率であらかじめ割水して,2・3日たったものをお銚子に入れ,(地元には黒じょかや白じょかという専用の容器がありますが…。)湯煎であたためてやるとその場で割ったものよりはるかにまろやかな旨さが引き立ちます。少々面倒に思われる方もいらっしゃるかと思いますが,百分は一見にしかず。ぜひ,お試し下さい。

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